福岡県済生会二日市病院

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睡眠医療センター

睡眠の事でお困り事、悩み事がございましたらお気軽にご相談下さい

当院では、2003年頃から循環器内科を中心として睡眠時無呼吸症候群の診療を開始しました。その後、睡眠時無呼吸症候群の認知度の上昇とともに受診される患者さんが少しずつ増えていきました。一方では、睡眠時無呼吸症候群が身体、特に循環器疾患に悪影響を与えるという研究成果が次々に発表され、循環器疾患を取り扱う先生方・医療機関からのご紹介、あるいは当院に受診された循環器疾患をお持ちの患者さんを診察して見つかることも増えていきました。2011年から、それまで当院で睡眠時無呼吸症候群診療の中心であった安藤医師が九州大学で睡眠時無呼吸センターを創設し、そのセンター長(特任教授)として赴任することとなりましたが、その後も循環器内科医師を中心に診療を継続し、さらには地域の先生方との睡眠時無呼吸診療の連携の輪も広げてきました。そして安藤医師が2022年に九州大学を退任され、当院で診療を開始しました。そして2022年に睡眠医療センターを開設しました。

ごあいさつ

睡眠時無呼吸症候群は睡眠障害の一つですが、睡眠に関連した疾患(睡眠関連疾患)にはその他にも多くの疾患があります。2022年に済生会二日市病院で睡眠関連の疾患全体を対象とした診療を開始することとなりました。特にナルコレプシーなどの過眠症の診断に必要な反復睡眠潜時検査を行う環境も整備し、更に技師が一晩中患者さんの様子を監視し、必要時に治療機器を一晩がかりで調整する環境も整え、睡眠関連の疾患全般にわたる診療を開始しました。こうした診療を1年間行った結果、2023年7月に筑紫医療圏最初の日本睡眠学会専門医療機関(機関A)に認定されました。日本睡眠学会専門医療機関は2023年7月時点で全国に117施設あり、うち過眠症など睡眠関連の疾患全般を診療する医療機関は91施設あります(日本睡眠学会 (jssr.jp))。その結果、ナルコレプシーの確定診断、投薬開始が可能となり、現在、米国睡眠学会が提唱する下記の睡眠障害ほぼ全体に対する診療を行っております。睡眠に関する症状でお悩みの場合には、お気軽に相談いただければと思います。
センター長 安藤 眞一

睡眠関連疾患:睡眠障害国際分類第3版による

(ア)    眠れない・夜中や早朝に起きてしまう:不眠症 
(イ)    睡眠中に息が止まる:睡眠関連呼吸障害 
(ウ)    特別な理由なくいつも眠い:中枢性過眠症 
(エ)    寝たり起きたりする時間がずれている:概日リズム睡眠・覚醒障害 
(オ)    夜中に動く、立ち上がる、騒ぐ:睡眠随伴症 
(カ)    足にむずむずした感じがして寝にくい、夜中に足が動いて目が覚める:睡眠関連運動障害 

3. 睡眠関連疾患の検査

終夜ポリソムノグラフィー(PSG)

本検査は1泊入院してもらって行う検査で、睡眠関連の疾患を診断する最も正確な検査です。脳波・目の動き・鼻や口からの気流・顎の動き・心電図・胸や腹部の動き・酸素飽和度・足の動きなどを調べる電極を付けて寝てもらいますが、体の動き全体を確認するビデオも同時に記録します。原則として、検査日の夕食後に来ていただき、約1時間程度かけて上記のセンサーを付け寝て頂きます。翌朝早く、センサーを外してシャワーを浴びて頂
き退院となります。

費用は食事・室料込みで以下の通りとなります。
1泊2日:3割負担 約48,000円、2割負担 約35,000円、1割負担 約23,000円
2泊3日:3割負担 約66,000円、2割負担 約49,000円、1割負担 約31,000円

なお、結果は1-2週後の外来で説明となります。

簡易型睡眠時無呼吸検査機

睡眠時無呼吸症候群の検査用ですが、自宅で行うもので、鼻の部分、指先、おなかと胸のベルトのみ使用します。脳波計などは使用しないため、睡眠時無呼吸症候群以外の睡眠関連疾患の診断はできません。

パルスオキシメーター

原則としてご家庭でご自分で機器を装着していただき、酸素飽和度のみ一晩測定します。ごく簡便ですが、いびきなどがおありの方で、何らかの原因で簡易型検査を受けれない場合や、治療効果判定時に使用します。

反復入眠潜時検査(MSLT)

この検査は眠気がどれくらい強いのか、あるいは、眠る際に脳波上に異常所見がないか、といったことを検査し、過眠症(特別の原因がないにもかかわらず眠い病気:別項参照))の診断を行うものです。過眠症の検査に際しては、検査前1-2週間は十分な睡眠をとって頂き、眠気が睡眠不足から来ているものではないことをはっきりさせることが重要となります。MSLT入院では、まず入院当日夜に終夜ポリソムノグラフィー検査を行います。翌朝9時から2時間おきに合計5回20分ずつ暗い部屋の中で脳波の計測機器を装着した状態で寝てもらい、何分で眠るか、あるいはその際の脳波の変化が正常かどうか、といった点を検討します。翌朝結果判定の結果と方針をお話してから退院となります。かなり面倒な検査ですが、過眠症をしっかり診断して、治療に結び付けるのに必須の検査です。

血液検査・循環器系疾患の検査

睡眠時無呼吸症候群の患者さん、循環器系疾患や糖尿病、腎臓病との関連が強いこともあり、必要時に血液検査や心電図・心エコーなどの検査を行っています。また、眠気が強い場合にはホルモン系の異常があることもあり、必要に応じて検査を行います。

睡眠医療センターの受診方法

当院は、紹介受診重点医療機関ですので、原則として、かかりつけの先生からの紹介での受診となります。かかりつけの医療機関のない場合には、原則として、お近くの内科・神経内科・脳外科・耳鼻科などの医療機関でご相談ください。直接受診される場合には、「選定療養費」がかかりますので、ご了承ください。

診察日
 睡眠医療センター:毎週月曜・水曜午後2:00-4:30
睡眠時無呼吸症候群:毎日の午前中の循環器内科外来でも診察可能